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88歳のピアノ

 どちらかというと、個人的には弦楽器派なのだが、ピアノ作品のなかにも大好きなものはある。

Rubin  たとえば、歴史的名盤として必ず名前が挙がる一枚だが、ルービンシュタインによる『ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番≪皇帝≫』(バレンボイム指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団演奏/1975年録音/BMG)は本当にすごい!
 評価の高さゆえに「どんなものか?」と思っていたが、初めて聴いてときには、“衝撃的!”といっていいほどの感動を覚えたものだ。こういう音に対してどんな形容詞を使えばいいのかは難しい。気品に溢れているのはもちろん、透明感と情感が同居している「他にはない音」が、この華麗な協奏曲にゆったりと、たゆたう。録音時にルービンシュタインは88歳だったというが、それだけの経験と年齢がこの境地を生み出したということなのだろう。
 この境地に近いのは、グレン・グールドの『バッハ:ゴールドベルク変奏曲』(55年録音盤がモノラルで、81年録音盤がステレオ。どちらも不動の評価を得ている)や、ミケランジェリの『ドビュッシー:映像第1集』(1971年録音)といったところか。ともに歴史的名盤に挙げられる作品で、音質はまったく異なるものの、それぞれに「他にはない音」が堪能できる。

Kissin  これらに近い音を期待して聴いたのが1971年生まれの“神童(←元神童?)”キーシンの『シューマン:クライスレリアーナ&バッハ=ブゾーニ:シャコンヌ』(1997年録音/BMG)だった。
 クライスレリアーナはシューマンによる傑作ピアノ曲で、シャコンヌはバッハ作曲のヴァイオリン史上最高の名曲をブゾーニがピアノ用に編曲したものだ。
 曲も違えば、音のタイプもまた違うので、先に挙げた歴史的名盤とは比較しにくく、一概に「近い/遠い」とはいえないが……、シャコンヌに関していえば、「他にはない特別な音」が聴き取れた。

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コメント

ご無沙汰しています。久々にお邪魔したら音楽談義が展開されていて、しかもキーシンの名が挙がっていたので思わずコメントしています。
キーシン、そんなによかったですか?一度聴いてみようかな?モスクワで聴いた話では、彼には凄腕ステージママがついていてそれが成功の秘訣だということでした。で、コンサートはむっちゃ高かったので聴きに行ったこと、ないんですよ。
久々にピアノもいいかなぁ~。いいネタ、ありがとうございました。
で。
にゃんずも相変わらず伸び伸びしててかわいいですね♪

投稿: きてぃ | 2008年4月22日 (火) 23時16分

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